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精神科訪問看護の作業療法士の役割について

はじめまして。訪問看護ステーションふらっと作業療法士の西塚です。今回私から、「ふらっとの作業療法」についてご紹介させていただきたいと思います。また、私が精神科特化の訪問看護ステーションで働くことになった経緯や、私自身が現場で働いて感じていることなどをお伝えさせてもらおうと思います。この記事が、ふらっとに興味を持ってホームページを見にきてくれた方や地域支援に進出したいと考えている作業療法士に届けばと思います。

  

目次

なぜ、精神科特化訪問看護ステーションふらっとに入職したのか

私自身、元々は精神科病院で勤務をしていました。療養病・急性期病どちらも経験させてもらいました。それぞれ作業療法プログラムを実施する目的は違う中で、もっと早くこの人と出会い関われていたら少しは違ったのかな、退院した後に生活できているのかな、など働いているとそう感じることが多くなってきました。そうした中で、再入院にならないように支援したい、早期治療に関わりたと考え、地域支援やスーパー救急などの転職先を探すようになりました。そこからご縁あって、代表の松下にお話を聞くことがあり、そこから訪問看護ステーションふらっとに入職することになりました。

私の考える精神科訪問での作業療法

はじめは精神科特化の訪問看護についてあまり深く知識がなく、作業療法士が実際に何をするのか、どのような働き方で作業療法を提供するのか不安がありました。しかし入職してから現場に出ることで、不安よりも作業療法士が出来ることは何かを常に考えるようになりました。その中で、先輩OTに沢山相談させてもらったり、自分で本や論文を読んでみたり、時には恩師に相談しに行ったりと、とにかくたくさん考えた1年目でした。

そうした中で辿り着いたことは、看護師も作業療法士も「1人の支援者」だということです。

最初は、作業療法士だから何かしないといけない、看護師との違いを考えないといけない、と正直焦っていました。看護師だから作業をしてはいけない、作業療法士だから作業だけをしないといけない。看護師も作業を通して利用者様と関わりますし、作業療法士も症状の観察や服薬管理も行います。作業療法士だから作業だけを提供するわけではない。ここを改めて理解することで、視野が広くなり柔軟な考え方ができるようになったと思います。

私たちの最終目的である、利用者様らしく、利用者様が満足する生活。それをどのように支援するのかを考える。そうすることで、自然と専門職の視点で関われることに気づけました。他職種が利用者様に専門的な視点で関わることで、支援の幅は広がります。ふらっとでは、看護師、作業療法士が協力して支援を行うことで、支援の広さ・質・柔軟性が高まっていると考えています。利用者様の小さな変化でも、スタッフ同士ステーション内で自然に熱く話し合っている姿をよく目にします。そんな場面から様々な視点が交差し、良いものができていると思っています。

今でも色々な事例検討会や研修会に参加した際に、他の精神科訪問看護ステーションで働かれている作業療法士さんから「どんな作業を提供していますか」と聞かれることも多いです。そのような時は、私の考える精神科訪問看護の作業療法として、上記の話をさせていただいています。

今後の展開

精神科訪問看護で作業療法が、利用者様の力になることを伝えたい。

訪問看護ステーションを立ち上げる時に、作業療法士は必須職業ではありません。OTが在籍していなくても、ステーションは設立できますし運営していけます。実際に、作業療法士がいない精神科訪問看護ステーションも数多く存在します。エムケアーズでは、作業療法の必要性を理解し、積極的に取り入れてくれます。

精神科訪問看護での作業療法には、まだまだ可能性があることを皆さんに知ってもらいたいです。だれでも、「作業」している。食べたり、入浴したり、人の日常生活に関わる全ての諸活動を「作業」と呼んでいる。これは、作業療法士協会のHPに記載されている1文です。私は、地域生活の中で「作業」を通してできる支援はまだまだあると考えています。今後、ふらっとの作業療法士の仲間をもっと迎え入れ、利用者様が笑顔になれるような作業療法を提供していきたいです。

地域進出に悩む若い世代の作業療法士の方々へ

2024年度の調べによると全国の作業療法士の中で、精神科で働く作業療法士の割合は13.5%でした。これは、精神科病院勤務がほとんどで、精神科訪問看護で働いている作業療法士はもっと少ないです。私は、精神科訪問看護で作業療法士は輝けると思っています。地域に出るには、若いから無理だとか、病院での経験をもっと積んでからじゃないとダメだ、と考える方もいると思います。否定しませんし、間違ってもいません。それぞれの考え方だと思います。正直、私自身も当時は、もっと基礎を学び切ってから地域へと考えていたこともありました。26歳で精神科訪問看護に就職し、今感じることは、若さをビハインドに考えなくてもいいのかなと感じます。若くても、取り組む姿勢や働き方で、利用者様に必要な作業療法を提供できる。ただ、しっかり目的を持って実施してほしいです。ただやるだけの作業療法にはならないでほしい。作業療法を実施したその先に、何があるのかを常に考えて繋げていってほしいです。

今回、多くの私の考えを書かせていただきましたが、それが正解だとは思わないで下さい。私自身が精神科訪問看護で働いて、感じたことを書かせていただいています。違う意見があることに否定はしませんし、むしろ聞きたいです。そして吸収させていただきたいです。訪問看護ステーションふらっとでは、事例検討会を定期的に開催しています。是非、参加していただき皆さんの意見も聞かせてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 

終わりに

次回はふらっと親子ケアに関しても記事を書かせていただきたいと思っています。私自身が、責任者としてやらせていただいている「ふらっと親子ケア」。どんな想いがあって、どんな支援をしているのか。気になる方は、引き続きエムケアーズのBlogをチェックしておいてくださいね。以上、作業療法士の西塚でした。最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!